会社が退職金の減額を提示してきたら?
数年後に定年を迎えた50代男性社員。急激な景気後退
で会社の業績が悪化、社長から退職金を半分にしてくれと
の相談。銀行の支援を受けて倒産を回避するには仕方ない
という。住宅ローンの返済に退職金を充てようと考えてい
たが、受け入れざる得ないのだろうか?
退職金は法律で義務づけられたものではなく、会社が就
業規則などで任意に定めたもの。会社は退職金の額を引き
下げたり、支給をやめたいすることができるのだろうか?
当然だが支給条件が明確なら勝手に変更することはできな
い。
退職金には「賃金の後払い」や定年退職後の生活保障、
功労報奨といった意味合いがあるとされる。
退職金制度を設ける場合は通常、就業規則で勤続年数
や役職に応じた支給基準を明確に規程しており、退職金
は「労働基準法上の賃金に相当すると認められる」。
また、労働契約法では従業員に不利益な就業規則変更
は、従業員との合意が必要となっている。
では、退職金を全額支払うと会社が存続できないよう
な緊急事態でも、規程の変更は認められないのか?裁判
では労働者が受け入れるだけの合理的な理由がある場合
に限って、変更を認めている。
経営危機に陥った会社が退職金を半分に減額したこと
の無効を求めた裁判で、東京地裁は2007年に「労働
者が不利益になるような就業規則の変更は一般的には許
されない」としながら、会社を清算した場合に支払われ
る退職金はさらに少なくなることや、労働組合と交渉し
て同意を得る努力をしていることから、減額を認めた。
労働契約法も不利益の程度や必要性が合理的な場合は、
従業員に周知したうえで変更できるとしている。
組合のない中小企業やオーナー企業などでは従業員に
不利益な変更がされても、裁判にまで発展せず、問題が
表面化しないケースも多いとみられる。しかし、業績が悪
化したとしても、経営者が安易に退職金に手をつけること
は裁判所も認めていない。退職金制度を変更して支給額を
4分の1に減らしたことや、退職金を廃止した会社が代償
となる措置をとらなかったことを争った裁判では、最高裁
や東京地裁は合理的な理由がないとして変更を認めなかっ
た。
◇退職金規程の不利益変更を認めた判例
合併で退職金が減った職員がいるのはやむを得ない
(1988年最高裁)
会社存続のため退職金を半減するのは、倒産するのに
比べてば合理的で、一部の組合も同意している
(2007年東京地裁)
◇退職金規程の不利益変更を否定した判例
経営悪化したからといって退職金の算定基準を従来より低く
変更したのは合理的でない
(1970年大阪高裁)
退職金規程を廃止して代償措置を取らなかったのは合理的で
ない
(1983年最高裁)
◆ポイント
(1)会社は退職金を一方的に減額できない
(2)合理的な理由があれば変更できる
【引用:日経新聞】
で会社の業績が悪化、社長から退職金を半分にしてくれと
の相談。銀行の支援を受けて倒産を回避するには仕方ない
という。住宅ローンの返済に退職金を充てようと考えてい
たが、受け入れざる得ないのだろうか?
退職金は法律で義務づけられたものではなく、会社が就
業規則などで任意に定めたもの。会社は退職金の額を引き
下げたり、支給をやめたいすることができるのだろうか?
当然だが支給条件が明確なら勝手に変更することはできな
い。
退職金には「賃金の後払い」や定年退職後の生活保障、
功労報奨といった意味合いがあるとされる。
退職金制度を設ける場合は通常、就業規則で勤続年数
や役職に応じた支給基準を明確に規程しており、退職金
は「労働基準法上の賃金に相当すると認められる」。
また、労働契約法では従業員に不利益な就業規則変更
は、従業員との合意が必要となっている。
では、退職金を全額支払うと会社が存続できないよう
な緊急事態でも、規程の変更は認められないのか?裁判
では労働者が受け入れるだけの合理的な理由がある場合
に限って、変更を認めている。
経営危機に陥った会社が退職金を半分に減額したこと
の無効を求めた裁判で、東京地裁は2007年に「労働
者が不利益になるような就業規則の変更は一般的には許
されない」としながら、会社を清算した場合に支払われ
る退職金はさらに少なくなることや、労働組合と交渉し
て同意を得る努力をしていることから、減額を認めた。
労働契約法も不利益の程度や必要性が合理的な場合は、
従業員に周知したうえで変更できるとしている。
組合のない中小企業やオーナー企業などでは従業員に
不利益な変更がされても、裁判にまで発展せず、問題が
表面化しないケースも多いとみられる。しかし、業績が悪
化したとしても、経営者が安易に退職金に手をつけること
は裁判所も認めていない。退職金制度を変更して支給額を
4分の1に減らしたことや、退職金を廃止した会社が代償
となる措置をとらなかったことを争った裁判では、最高裁
や東京地裁は合理的な理由がないとして変更を認めなかっ
た。
◇退職金規程の不利益変更を認めた判例
合併で退職金が減った職員がいるのはやむを得ない
(1988年最高裁)
会社存続のため退職金を半減するのは、倒産するのに
比べてば合理的で、一部の組合も同意している
(2007年東京地裁)
◇退職金規程の不利益変更を否定した判例
経営悪化したからといって退職金の算定基準を従来より低く
変更したのは合理的でない
(1970年大阪高裁)
退職金規程を廃止して代償措置を取らなかったのは合理的で
ない
(1983年最高裁)
◆ポイント
(1)会社は退職金を一方的に減額できない
(2)合理的な理由があれば変更できる
【引用:日経新聞】
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