世界はサバイバリティ(生き残る力)を問われる時代に
歴史的な転換点を迎えた世界。
国家や企業、個人が生き残るための条件とは?
人類には地球温暖化、環境、食料、資源といった問題が待ち構えている。
例えば食料、世界の人々が米国人並みに食べると、28億人しか養えない。
食べる量を減らせば、100億人くらいまでいける。そして
どんなにがんばっても200億人が限度。
資源の問題も大きい。
いまの採掘技術のままで金が30年、銀が20年、銅が40年で枯渇する。
工業界の需要の伸びに追いつきようがない
地球の気候も確実に上昇するだろう。持続可能性(サスティナビリティ)を
目指すといっても、成立しないのは明らかだ。地球だけの閉じた経済圏では
少なくとも100年以内に生存が厳しくなる。個人、会社、地域、国、世界
のレベルで生存大競争が始まっている。
生き残りのカギは?
環境や資源といった生存を支える技術が間に合うかどうかだ。
40年先に世界の人口が100億人に近づくことも考え、研究者はいろいろ
な知恵を出さなければならない。
そのとき日本は?
高い技術と勤勉さは我々の資産だ。世界に打ち勝てるのは環境やエネルギー
の技術だろう。将来は宇宙で空間やエネルギー、資源の利用を競い合う時代
も到来する。地球から宇宙に飛び出し、大きな構造物をつくれる技術を持つ
国が優位に立つだろう。
ロボット技術や半導体技術、太陽電池技術を生かせば、日本が宇宙に発電所
をつくることも可能だ。農場や工場もできるだろう。どこを変えれば日本の
産業界が活気づくのかを考える必要がある。太陽系を利用する技術をつかん
だ国が確実に繁栄する。
技術だけで問題を解決できるのか?
弱肉強食の世界になってはだめだ。科学技術の知識だけに頼り、間違いを犯
してはならない。人文社会系の知恵ややさしさも動員し、生存学を考える必
要がある。そのもとになるのが生存基盤学だ。金や銀の代わりに何をつくれ
るのか。惑星でどんな資源をとれるのか。そういう基盤技術を通じ、世界の
生存を保証することを考えなければならない。環境権、生存権、人間権など
も研究していく。共有や協調という発想が世界のサバイバリティに役立つ。
個人の生き方の変革は?
人間は個体だけなら弱い。しかし強みがある。それは社会をつくり、人間関
係を築いたことだ。人間は個人の能力と欲望、そして社会の能力で発展して
きたが、欲望が強くなりすぎていまの金融問題がおきた。個人の力で克服で
きるかどうかは分らないが、人間の暴走を人文社会系の知恵や学問、文化で
防ぐ必要がある。
人間は集団で動く。だが集団は行き過ぎることがある。自由主義や市場経済
に問題があっても、規制に走りすぎると危ない。そこをコントロールする発
信源が大学の大きな役割になる。
【日経新聞:京大松本総長の記事より抜粋】
国家や企業、個人が生き残るための条件とは?
人類には地球温暖化、環境、食料、資源といった問題が待ち構えている。
例えば食料、世界の人々が米国人並みに食べると、28億人しか養えない。
食べる量を減らせば、100億人くらいまでいける。そして
どんなにがんばっても200億人が限度。
資源の問題も大きい。
いまの採掘技術のままで金が30年、銀が20年、銅が40年で枯渇する。
工業界の需要の伸びに追いつきようがない
地球の気候も確実に上昇するだろう。持続可能性(サスティナビリティ)を
目指すといっても、成立しないのは明らかだ。地球だけの閉じた経済圏では
少なくとも100年以内に生存が厳しくなる。個人、会社、地域、国、世界
のレベルで生存大競争が始まっている。
生き残りのカギは?
環境や資源といった生存を支える技術が間に合うかどうかだ。
40年先に世界の人口が100億人に近づくことも考え、研究者はいろいろ
な知恵を出さなければならない。
そのとき日本は?
高い技術と勤勉さは我々の資産だ。世界に打ち勝てるのは環境やエネルギー
の技術だろう。将来は宇宙で空間やエネルギー、資源の利用を競い合う時代
も到来する。地球から宇宙に飛び出し、大きな構造物をつくれる技術を持つ
国が優位に立つだろう。
ロボット技術や半導体技術、太陽電池技術を生かせば、日本が宇宙に発電所
をつくることも可能だ。農場や工場もできるだろう。どこを変えれば日本の
産業界が活気づくのかを考える必要がある。太陽系を利用する技術をつかん
だ国が確実に繁栄する。
技術だけで問題を解決できるのか?
弱肉強食の世界になってはだめだ。科学技術の知識だけに頼り、間違いを犯
してはならない。人文社会系の知恵ややさしさも動員し、生存学を考える必
要がある。そのもとになるのが生存基盤学だ。金や銀の代わりに何をつくれ
るのか。惑星でどんな資源をとれるのか。そういう基盤技術を通じ、世界の
生存を保証することを考えなければならない。環境権、生存権、人間権など
も研究していく。共有や協調という発想が世界のサバイバリティに役立つ。
個人の生き方の変革は?
人間は個体だけなら弱い。しかし強みがある。それは社会をつくり、人間関
係を築いたことだ。人間は個人の能力と欲望、そして社会の能力で発展して
きたが、欲望が強くなりすぎていまの金融問題がおきた。個人の力で克服で
きるかどうかは分らないが、人間の暴走を人文社会系の知恵や学問、文化で
防ぐ必要がある。
人間は集団で動く。だが集団は行き過ぎることがある。自由主義や市場経済
に問題があっても、規制に走りすぎると危ない。そこをコントロールする発
信源が大学の大きな役割になる。
【日経新聞:京大松本総長の記事より抜粋】
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