2009年05月投稿分の記事一覧
僕の心を奪った人
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仕事力 自由に学び培う〜再挑戦できる国デンマーク
仕事力 自由に学び培う〜再挑戦できる国デンマーク
10代から職業教育訓練徹底
「なぜ高校を辞めたの?」教師(55)は生徒(18)に尋ねた。
「授業についていけなかった」と打ち明ける。
デンマークでも学校を中退したり、不登校になったりする若者は
少なくない。そこで2004年に「若者教育カウンセリング」制度が
作られた。教師らの専門カウンセラーが、12ー25歳の若者を支援
・監督する。全国50カ所あるセンターには各地の学校から問題を抱
えた子の情報が寄せられる。カウンセラーは本人や家族と面接し、進
学相談や職業指導を行なう
「仕事に就ける能力を養うのが先決。実践的な能力を身につけてお
かないと社会にに出ても失業する恐れがある」。件の生徒は、助言を
受け、職業高校に入学することを決めた。
低い若年失業率
多くの先進国が若年失業問題に頭を悩ませる中、デンマークは優等
生だ。「25歳未満の失業率は1.2%」(国家労働市場局)。
好景気に支えられている面もあるが、若年層への教育投資が功を奏し
ているとの指摘は多い。
教育への公的投資額は国内総生産の約8.5%(04年、ユーロス
タット)と欧州連合平均の5.1%を大きく上回る。これは若者に限
らない。「労働者の29%が毎年、何らかの教育を受ける」(教育省
生涯学習局)と言うほど社会人教育が盛んだ。
「今年は部下の雇用管理について学びたい」。風力発電機の世界最
大手、ベスタスの人事担当ディレクター(40)はそう話す。
同社は年1回、全従業員が社内外で教育を受けられる制度を設けて
いる。社内大学で研修を受けたり大学の博士課程に進んだり、学ぶ内
容は個人の希望次第。「従業員の質を高めることが業績拡大につなが
る」という考えが徹底されている。
だが、疑問も浮かぶ。転職社会だけに従業員への教育投資がムダに
なる不安はないのか。日本企業では雇用期間の定めのない正社員に比
べ、非正規社員の教育機会は乏しい。
社員の価値向上
「とんでもない。挑戦したい社員に機会を与えるのは当然。価値を
高めて帰ってきてくれるかもしれない」と玩具メーカー、レゴの副社
長は言い切る。
この言葉を裏付けるのが、同社が07年に立ち上げた「未来の家」
という組織。約千人いる時間給の工場労働者に臨む働き方などを聞き
、必要な研修や配置転換をアレンジする。「転職したい」という要望
があれば、必要な能力を身につけるための夜間研修を紹介することも
ある。
実はレゴは1990年代末に業績が悪化。ここ10年で工場労働者
を二千人削減してきた。「苦しい時期を経て得た教訓は、社員教育が
会社の役目ということ。いつまた人員削減があるか分らない以上、会
社が社員の能力を引き上げるのは社会にとっても有益だ」。「未来の
家」の担当者(62)は力を込める。
「デンマークの労働者は守られている印象が強いかも知れないが、
実際は自助努力が不可欠。『売り込める自分』があるから失業しても
次の行動をとれる」と、デンマーク労働総同盟の担当者は強調する。
翻って日本はどうか。
フリーターなどの若者らが十分な教育機会を得られないまま展望も描
けずにいる。「様々な公的支援策はあるが、企業も非正社員が能力開
発をして活躍できる仕組みを作らないと彼らの意欲は高まらない
(厚生労働省職業能力開発局室長)との声は多い。
最近は日本でも小・中学校からキャリア教育に取り組む動きがある。
生涯挑戦し続ける意欲をはぐぐくむ。
デンマークの気風に学ぶ点は多い。
【引用:日経新聞】
10代から職業教育訓練徹底
「なぜ高校を辞めたの?」教師(55)は生徒(18)に尋ねた。
「授業についていけなかった」と打ち明ける。
デンマークでも学校を中退したり、不登校になったりする若者は
少なくない。そこで2004年に「若者教育カウンセリング」制度が
作られた。教師らの専門カウンセラーが、12ー25歳の若者を支援
・監督する。全国50カ所あるセンターには各地の学校から問題を抱
えた子の情報が寄せられる。カウンセラーは本人や家族と面接し、進
学相談や職業指導を行なう
「仕事に就ける能力を養うのが先決。実践的な能力を身につけてお
かないと社会にに出ても失業する恐れがある」。件の生徒は、助言を
受け、職業高校に入学することを決めた。
低い若年失業率
多くの先進国が若年失業問題に頭を悩ませる中、デンマークは優等
生だ。「25歳未満の失業率は1.2%」(国家労働市場局)。
好景気に支えられている面もあるが、若年層への教育投資が功を奏し
ているとの指摘は多い。
教育への公的投資額は国内総生産の約8.5%(04年、ユーロス
タット)と欧州連合平均の5.1%を大きく上回る。これは若者に限
らない。「労働者の29%が毎年、何らかの教育を受ける」(教育省
生涯学習局)と言うほど社会人教育が盛んだ。
「今年は部下の雇用管理について学びたい」。風力発電機の世界最
大手、ベスタスの人事担当ディレクター(40)はそう話す。
同社は年1回、全従業員が社内外で教育を受けられる制度を設けて
いる。社内大学で研修を受けたり大学の博士課程に進んだり、学ぶ内
容は個人の希望次第。「従業員の質を高めることが業績拡大につなが
る」という考えが徹底されている。
だが、疑問も浮かぶ。転職社会だけに従業員への教育投資がムダに
なる不安はないのか。日本企業では雇用期間の定めのない正社員に比
べ、非正規社員の教育機会は乏しい。
社員の価値向上
「とんでもない。挑戦したい社員に機会を与えるのは当然。価値を
高めて帰ってきてくれるかもしれない」と玩具メーカー、レゴの副社
長は言い切る。
この言葉を裏付けるのが、同社が07年に立ち上げた「未来の家」
という組織。約千人いる時間給の工場労働者に臨む働き方などを聞き
、必要な研修や配置転換をアレンジする。「転職したい」という要望
があれば、必要な能力を身につけるための夜間研修を紹介することも
ある。
実はレゴは1990年代末に業績が悪化。ここ10年で工場労働者
を二千人削減してきた。「苦しい時期を経て得た教訓は、社員教育が
会社の役目ということ。いつまた人員削減があるか分らない以上、会
社が社員の能力を引き上げるのは社会にとっても有益だ」。「未来の
家」の担当者(62)は力を込める。
「デンマークの労働者は守られている印象が強いかも知れないが、
実際は自助努力が不可欠。『売り込める自分』があるから失業しても
次の行動をとれる」と、デンマーク労働総同盟の担当者は強調する。
翻って日本はどうか。
フリーターなどの若者らが十分な教育機会を得られないまま展望も描
けずにいる。「様々な公的支援策はあるが、企業も非正社員が能力開
発をして活躍できる仕組みを作らないと彼らの意欲は高まらない
(厚生労働省職業能力開発局室長)との声は多い。
最近は日本でも小・中学校からキャリア教育に取り組む動きがある。
生涯挑戦し続ける意欲をはぐぐくむ。
デンマークの気風に学ぶ点は多い。
【引用:日経新聞】
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会社が退職金の減額を提示してきたら?
数年後に定年を迎えた50代男性社員。急激な景気後退
で会社の業績が悪化、社長から退職金を半分にしてくれと
の相談。銀行の支援を受けて倒産を回避するには仕方ない
という。住宅ローンの返済に退職金を充てようと考えてい
たが、受け入れざる得ないのだろうか?
退職金は法律で義務づけられたものではなく、会社が就
業規則などで任意に定めたもの。会社は退職金の額を引き
下げたり、支給をやめたいすることができるのだろうか?
当然だが支給条件が明確なら勝手に変更することはできな
い。
退職金には「賃金の後払い」や定年退職後の生活保障、
功労報奨といった意味合いがあるとされる。
退職金制度を設ける場合は通常、就業規則で勤続年数
や役職に応じた支給基準を明確に規程しており、退職金
は「労働基準法上の賃金に相当すると認められる」。
また、労働契約法では従業員に不利益な就業規則変更
は、従業員との合意が必要となっている。
では、退職金を全額支払うと会社が存続できないよう
な緊急事態でも、規程の変更は認められないのか?裁判
では労働者が受け入れるだけの合理的な理由がある場合
に限って、変更を認めている。
経営危機に陥った会社が退職金を半分に減額したこと
の無効を求めた裁判で、東京地裁は2007年に「労働
者が不利益になるような就業規則の変更は一般的には許
されない」としながら、会社を清算した場合に支払われ
る退職金はさらに少なくなることや、労働組合と交渉し
て同意を得る努力をしていることから、減額を認めた。
労働契約法も不利益の程度や必要性が合理的な場合は、
従業員に周知したうえで変更できるとしている。
組合のない中小企業やオーナー企業などでは従業員に
不利益な変更がされても、裁判にまで発展せず、問題が
表面化しないケースも多いとみられる。しかし、業績が悪
化したとしても、経営者が安易に退職金に手をつけること
は裁判所も認めていない。退職金制度を変更して支給額を
4分の1に減らしたことや、退職金を廃止した会社が代償
となる措置をとらなかったことを争った裁判では、最高裁
や東京地裁は合理的な理由がないとして変更を認めなかっ
た。
◇退職金規程の不利益変更を認めた判例
合併で退職金が減った職員がいるのはやむを得ない
(1988年最高裁)
会社存続のため退職金を半減するのは、倒産するのに
比べてば合理的で、一部の組合も同意している
(2007年東京地裁)
◇退職金規程の不利益変更を否定した判例
経営悪化したからといって退職金の算定基準を従来より低く
変更したのは合理的でない
(1970年大阪高裁)
退職金規程を廃止して代償措置を取らなかったのは合理的で
ない
(1983年最高裁)
◆ポイント
(1)会社は退職金を一方的に減額できない
(2)合理的な理由があれば変更できる
【引用:日経新聞】
で会社の業績が悪化、社長から退職金を半分にしてくれと
の相談。銀行の支援を受けて倒産を回避するには仕方ない
という。住宅ローンの返済に退職金を充てようと考えてい
たが、受け入れざる得ないのだろうか?
退職金は法律で義務づけられたものではなく、会社が就
業規則などで任意に定めたもの。会社は退職金の額を引き
下げたり、支給をやめたいすることができるのだろうか?
当然だが支給条件が明確なら勝手に変更することはできな
い。
退職金には「賃金の後払い」や定年退職後の生活保障、
功労報奨といった意味合いがあるとされる。
退職金制度を設ける場合は通常、就業規則で勤続年数
や役職に応じた支給基準を明確に規程しており、退職金
は「労働基準法上の賃金に相当すると認められる」。
また、労働契約法では従業員に不利益な就業規則変更
は、従業員との合意が必要となっている。
では、退職金を全額支払うと会社が存続できないよう
な緊急事態でも、規程の変更は認められないのか?裁判
では労働者が受け入れるだけの合理的な理由がある場合
に限って、変更を認めている。
経営危機に陥った会社が退職金を半分に減額したこと
の無効を求めた裁判で、東京地裁は2007年に「労働
者が不利益になるような就業規則の変更は一般的には許
されない」としながら、会社を清算した場合に支払われ
る退職金はさらに少なくなることや、労働組合と交渉し
て同意を得る努力をしていることから、減額を認めた。
労働契約法も不利益の程度や必要性が合理的な場合は、
従業員に周知したうえで変更できるとしている。
組合のない中小企業やオーナー企業などでは従業員に
不利益な変更がされても、裁判にまで発展せず、問題が
表面化しないケースも多いとみられる。しかし、業績が悪
化したとしても、経営者が安易に退職金に手をつけること
は裁判所も認めていない。退職金制度を変更して支給額を
4分の1に減らしたことや、退職金を廃止した会社が代償
となる措置をとらなかったことを争った裁判では、最高裁
や東京地裁は合理的な理由がないとして変更を認めなかっ
た。
◇退職金規程の不利益変更を認めた判例
合併で退職金が減った職員がいるのはやむを得ない
(1988年最高裁)
会社存続のため退職金を半減するのは、倒産するのに
比べてば合理的で、一部の組合も同意している
(2007年東京地裁)
◇退職金規程の不利益変更を否定した判例
経営悪化したからといって退職金の算定基準を従来より低く
変更したのは合理的でない
(1970年大阪高裁)
退職金規程を廃止して代償措置を取らなかったのは合理的で
ない
(1983年最高裁)
◆ポイント
(1)会社は退職金を一方的に減額できない
(2)合理的な理由があれば変更できる
【引用:日経新聞】
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年金払いから一時金払い変更可能か?
退職金を一時金で受け取るか年金で受け取るか、
メリット、デメリットを以下にまとめてみた

一時金でもらった場合、つい気が大きくなって無駄遣いを
したり、資産運用に失敗したりする可能性が。
企業年金の運用利回り以上の運用益を出す自信がないなら、
年金で受け取った方がベターだ。
ただし、急遽まとまった資金が必要な場合に備えて年金から
一時金への変更が可能かの確認は必要だ。
また、税金の面からみると勤務年数に応じた退職所得控除を
考慮して、一時金と年金を併用して受け取るのが有利だ。
例えば以下の表の場合のように勤続38年だと2,060
万円まで無税になるので、一時金の額をきりぎりその範囲
内に収まるようにすればいい。

年金は老後の生活支える重要な糧。
社会保険料や前金などを考慮して、額面より手取額に注意
を払うことが大事では。
【参考:日経新聞】
メリット、デメリットを以下にまとめてみた

一時金でもらった場合、つい気が大きくなって無駄遣いを
したり、資産運用に失敗したりする可能性が。
企業年金の運用利回り以上の運用益を出す自信がないなら、
年金で受け取った方がベターだ。
ただし、急遽まとまった資金が必要な場合に備えて年金から
一時金への変更が可能かの確認は必要だ。
また、税金の面からみると勤務年数に応じた退職所得控除を
考慮して、一時金と年金を併用して受け取るのが有利だ。
例えば以下の表の場合のように勤続38年だと2,060
万円まで無税になるので、一時金の額をきりぎりその範囲
内に収まるようにすればいい。

年金は老後の生活支える重要な糧。
社会保険料や前金などを考慮して、額面より手取額に注意
を払うことが大事では。
【参考:日経新聞】
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カッコイイ農業!?
カッコよく「ザクザク」経営
AERA5月11日(月) 13時19分配信 / 国内 – 社会
──農業で稼いでいる農家はごく少数にすぎない。しかし、壁を突き破った
「ファーマー」はいる。違いは何なのか。各地の「突破者たち」を訪ねた。
いずれの現場も、叡智と情熱にあふれていた。──
農業を始めて3年目、2002年のことだった。訪ねてきた人から、ふい
にこう言われた。
「まだ働き盛りですよね」
胸に刺さった。
松木一浩さん(47)は00年、東京・恵比寿の三ツ星レストラン「タイユヴ
ァン・ロブション」(現ジョエル・ロブション)の総給仕長の座を捨て、
富士山麓の静岡県芝川町で農業を始めた。
借地でつくった野菜のセット(野菜7〜9種入り、2310円)をネット
販売し、初めは週に1セットだったのが徐々に売れ始めた。一般的な作物の
ほかにフランス料理の食材となるズッキーニ、ロメーヌ、トレヴィス、ポロ
ネギなどの西洋野菜も栽培し、珍しさもあって、都内のレストランが買って
くれるようになった。都会暮らしと人間関係に疲れて、世捨て人みたいだっ
たのに、また忙しくなり始めた。
「このまま自給自足の延長でいいのか」
冒頭の一言で「ギアチェンジ」した。有機野菜の魅力や食べ方を伝える
レシピ本を出し、07年に、「ビオファームまつき」を株式会社にし、富士宮
市内の店舗街で、イートインもできる有機野菜の惣菜店を構えた。週末、店
先には東京や神奈川のナンバーを付けた車が列をつくる。
ネット販売していた野菜セットは、旬の野菜に合うレシピを添えたら、
週に150セット売れるヒット商品になった。
点在する農地を次々に借り受け、いまや20カ所計30ヘクタールに達した。
■「7割はサービス業」
農林水産省の「農業経営統計調査」によれば、水田農家の9割が農業所得
100万円未満。農家は農業で儲けていない。全国新規就農相談センターの
調べでは、就農1〜2年目で生計が成り立つのは約2割にすぎない。
しかし、松木さんは農業で儲けた。違いは何か。
「私の意識としては、農業3割、7割はサービス業です」
そう言えるのは、レストランに17年間勤めた経験からかもしれない。
そんな松木さんに07年、一大チャンスが舞い込んだ。
10年以上も遊休農地だった畑近くの1000坪の土地が競売に出たのだ
。即座に450万円で買い、この土地を、有機農業の「ファーミング・エン
ターテインメント」の拠点に生まれ変わらせようと考えた。
いわば、「農業遊園地」だ。
■月20人の若者が殺到
しかし、施設を建てるには建設資金がかかる。山間地だから造成費も安
くない。融資先を探そうと、農家仲間に聞くと、「農協系の金融機関は審
査に1年ぐらいかかる」と言われた。地元の静岡銀行に「遊園地計画」
を説明したら、7000万円の融資話が決まった。450万円で手に入れ
た土地が、7000万円の価値に変わった。
融資が決まった話を証券会社に勤める友人に話したら、
「ほんと? 石橋をたたいても渡らない手堅さで、地元からは『シブ銀』
と言われる静銀が?」
と驚かれた。
静岡銀行の担当者は言う。
「ネット宅配や惣菜店の実績に加えて、一流の飲食店で培ったサービスマ
ンとしての松木さんのホスピタリティーが掛け合わされば、ビジネスとし
て成り立つ。儲かる農業だと判断した」
昨年度の売り上げは4600万円。新事業が加わり、今年度は1億円を
見込む。
「細切れで傾斜地が多い中山間地でもちゃんとビジネスになることを証明
して、若い人が後に続くような農業モデルに変えていきたい」
1000坪の土地は開墾され、更地になった。秋には、フランスの美
しい田舎に点在する農村レストラン「オーベルジュ」風の建屋が完成する。
従来の農業にはサービス精神が欠けていたのかもしれない。金融マン
から転じた田中進さん(37)は、儲かる農業は人材と「集約化」だと感
じていた。
田中さんが経営する株式会社「サラダボウル」(山梨県中央市)の従業
員は、平均年齢25・7歳。農水省の08年の統計では農業従事者の平均年齢
は65・2歳だから、別世界だ。
年間100人を超える若者が、田中さんのもとに集まる。大学の新卒者、
カメラマン、アパレル経営者、製薬会社勤務など、ほとんどが農業の未経
験者だ。今年3月以降は、例年の2倍近い月20人が田中さんのもとにやっ
てきた。
「仕事がなくなった」と言う人もいる。
■朝5時から勉強会
そもそも田中さんは、大手銀行の法人向け営業で億円単位の融資を手がけ、
外資系生命保険会社からヘッドハンティングされたこともあり、30代で年収
は7000万円あった。
だが突然、04年、名古屋から実家のある山梨に戻り、家賃4万円の家と60
アールの農地を借り、トマトのハウス栽培をするところから始めた。平均年
収400万円台と言われる農業の世界に飛び込んだのは、
「とてつもなく大きなビジネスチャンスだと感じたから」だ。
全国200軒の農家を訪ね歩き、独自に栽培ノウハウを習得した。作付け前
には、「小ぶりのパプリカ赤・黄のセットで198円ならば、一度に使いき
れて手ごろ」などと、店の棚に置かれる場面を想定した。店と直接契約した
分だけつくれば無駄もないから利益率が上がる。
やっぱり、ニーズに対応するサービス精神、だ。
ただ、頭脳だけで農業はできない。農業の集約化にはまず、人の確保が必
要だった。
そんな田中さんにとって、大きな転機になったのは、04年に会社を設立し
て間もなく、パートの募集をしたときのことだった。地方紙の求人欄に出し
た3行広告で、初日だけで60人の問い合わせがあった。
「こんなにもやりたい人がいる。農業ほど『人財』に恵まれた業界はない」
と確信した。
「人財」をどう生かすか。希望者が農業研修の受け入れ先を見つけられるよ
うに、05年にNPO法人「農業の学校」をつくった。サラダボウルを中心に、
提携する全国の農業法人が研修生を受け入れる。朝の勉強会は5時に始まる。
ノートをとり、生物の教科書を広げて知識を深める。化学記号も飛び交う。
厳しさのため、就農を希望する年間100人のうち、農業に定着するのは
10人ほどだという。
農業を「3K職場」から脱皮させたい。だから、社員には週に1度の休み
と月に1度の連休を与え、月給15万円を保証する。「農業はカッコイイ」と
なれば、さらに人材は増える。
■4段棚に野菜17種類
人材を広く活用することで、田中さんの現在の耕作地面積は10ヘクタール
に。
売上高は1年目の8倍になった。
だが、話はそう簡単ではない。農水省の07年の調査では、新規就農者の56
%が農地の確保に苦しんでいた。次いで多かったのが、資金の確保だ。
同様に金融出身の五唐秀昭さん(49)は、ワイシャツにネクタイ姿で取材
を待っていた。
「ここは町工場みたいなもんですから」
大阪府岸和田市の株式会社「みらくるグリーン」がつくる野菜は、かつて
鉄や縫製工場だった小さな倉庫でつくられている。遮蔽された部屋に4段の
棚を設け、サラダミズナ、ルッコラ、グリーンマスタードなど小ぶりな野菜
17種類を水耕栽培する。蛍光灯が「太陽」。はりめぐらせたパイプを通して
流れる培養液が「土」。
工場部分の広さはわずか21・5坪だが、収穫量は畑10アール分になる。
多品種小規模栽培の「ミニ植物工場」は珍しい。電機、自動車、精密機械
の大手メーカー子会社などの見学が絶えない。
「売上高が30億〜50億円規模の会社が訪ねてくるので驚いた」
03年、25年間勤めた信用金庫を退職した。合併を繰り返す金融界は不安定
だと感じた。腕ひとつで稼ぎたいと思った。信金時代の人脈をたどって
「植物工場」にたどり着いた。
しかし、困り果てたのが「資金の確保」だった。
設備などの初期投資が2000万円かかる。しかし、実績もない農業の新規
事業に銀行は貸してくれない。農業系の公的金融でも、栽培するのが「農地」
ではないことがネックだった。
そこで地場産業を支援する大阪産業振興機構を頼った。だが、ベンチャー向
けの200万円はすぐ認められたものの、設備投資の800万円が認められる
までに1年かかった。農業の前例がなかったためだ。
退職金でしのぎ、「見切り発車」した。
産業振興機構の審査を待つ間に、ホームセンターで買った材料で「工場」を
手作り。
温度や光の照射時間、培養液の調合を少しずつ変え、設定数値を毎日細かく記
録した。
08年春、大阪の自然食レストランのオーナーシェフがもぎとった葉っぱを食
べて言った。
「想像以上にパンチがきいてる。一回食べたら忘れられへん味や」
商売としてやっていけると確信した瞬間だった。
■青りんご味の葉っぱ
昨年5月から、幼葉をミックスするサラダ用の「ベビーリーフ」を出荷し始
めた。
業務用として、100グラム換算で700円。牛肉並みの高値だ。
理由は、食べてみてわかった。
親指ほどの小さな葉っぱなのに、ひと噛みでつんとくる辛さがしたり、青り
んごみたいな味がしたり、キャベツの風味がひろがったり。「浪人時代」の試
行錯誤で、肥料を限界まで減らす微妙なさじ加減を習得し、どこにもない味が
生まれていた。
現在の売り上げは1カ月約50万円。栽培種類を集約化して生産性を上げれば、
倍に増やせると五唐さんは考えている。
3人を見ればわかる。農業は甘くない。でも、確かな熱意と創意工夫、知識
があれば、儲けることが不可能なわけじゃない。サービス精神、集約化、付加
価値化を率先して先導してきた農業のパイオニア的存在は、木内博一さん(41)
。千葉県香取市の和郷園グループで、年間約50億円を稼ぎ出す。そのうち本部
だけで、野菜販売約20億円、加工が約11億円を占める。
「新規参入で、じゃがいも、にんじん、タマネギといった主要10品目で大規模
展開できているところはほとんどない。いまでも農業は、ものすごい経験産業、
そしてインフラ産業であることに変わりがないからです」
91軒の契約農家を抱え、主要10品目を含む43品目をつくっている。毎日食卓
に並ぶあらゆる野菜を安定的に供給するための「普通の製造業」を目指す。
産地直送を始めたのは18年前。24歳で仲間5人とトラックに野菜を積み、
横浜のスーパーや都内の八百屋へでかけた。いまのように産直ショップやネッ
ト直販がない時代だけに、鮮度のよさと珍しさも手伝い、大盛況だった。その
後、大手生協、スーパーなどに取引先を広げ、5年目には野菜の売上高だけで
5億円、10年で10億円を達成した。
ヒントになったのが、高級スーパーの仕入れ担当者のこんな一言だった。
「木内さん、最近のごぼうは風味がないね」
香りや鮮度が大事な野菜は、売り先と事前に契約して、掘って1週間以内に
マーケットに出せば売れる。そう考えた。
生産品目が増えるのに伴って、契約農家が増え、集約化は進んだ。
だが、課題はあった。
作物の品質が農家ごとに微妙に違っていたのだ。
そこで、栽培管理を統一するマニュアルをつくった。質・量ともに要望を完
璧にこなせるプロ集団をつくった。この10年間、契約農家を新たに増やさず、
1軒ごとの質を高めた。
91軒中42軒は、売上高が年率110%で成長し続けている。
■雇用力1500人
経営が軌道に乗り始めた木内さんも災難に巻き込まれた。96年、出荷した野菜
から申告外の農薬が検出されたのだ。
検査機関の誤認とわかるまで、生協との取引は1カ月間停止された。
1年間かけて契約農家と議論し、農薬の使用基準マニュアルをつくった。さら
に、作物の生産から流通、販売までの経路(トレーサビリティー)が、10分以内
に引き出せる仕組みも作り上げた。
木内さんはどうして、そこまで農業にのめりこみ、新たな可能性を際限なく見
いだそうとするのか。
こう理由を話した。
「本気でやれば、農業は、地域の人に継続的に仕事を供給できるんです」
和郷園は東京から車で1時間圏内にある。近くの下請け工場は不況期をくぐる
うちに、次々と操業をやめていった。その度に、地域に根ざして暮らす人の職が
ぐらつき、転居していった。
和郷園はいま、グループ全体で1500人規模の雇用を生み出しているという。
編集部 古川雅子
(引用:アエラ5月18日号)
AERA5月11日(月) 13時19分配信 / 国内 – 社会
──農業で稼いでいる農家はごく少数にすぎない。しかし、壁を突き破った
「ファーマー」はいる。違いは何なのか。各地の「突破者たち」を訪ねた。
いずれの現場も、叡智と情熱にあふれていた。──
農業を始めて3年目、2002年のことだった。訪ねてきた人から、ふい
にこう言われた。
「まだ働き盛りですよね」
胸に刺さった。
松木一浩さん(47)は00年、東京・恵比寿の三ツ星レストラン「タイユヴ
ァン・ロブション」(現ジョエル・ロブション)の総給仕長の座を捨て、
富士山麓の静岡県芝川町で農業を始めた。
借地でつくった野菜のセット(野菜7〜9種入り、2310円)をネット
販売し、初めは週に1セットだったのが徐々に売れ始めた。一般的な作物の
ほかにフランス料理の食材となるズッキーニ、ロメーヌ、トレヴィス、ポロ
ネギなどの西洋野菜も栽培し、珍しさもあって、都内のレストランが買って
くれるようになった。都会暮らしと人間関係に疲れて、世捨て人みたいだっ
たのに、また忙しくなり始めた。
「このまま自給自足の延長でいいのか」
冒頭の一言で「ギアチェンジ」した。有機野菜の魅力や食べ方を伝える
レシピ本を出し、07年に、「ビオファームまつき」を株式会社にし、富士宮
市内の店舗街で、イートインもできる有機野菜の惣菜店を構えた。週末、店
先には東京や神奈川のナンバーを付けた車が列をつくる。
ネット販売していた野菜セットは、旬の野菜に合うレシピを添えたら、
週に150セット売れるヒット商品になった。
点在する農地を次々に借り受け、いまや20カ所計30ヘクタールに達した。
■「7割はサービス業」
農林水産省の「農業経営統計調査」によれば、水田農家の9割が農業所得
100万円未満。農家は農業で儲けていない。全国新規就農相談センターの
調べでは、就農1〜2年目で生計が成り立つのは約2割にすぎない。
しかし、松木さんは農業で儲けた。違いは何か。
「私の意識としては、農業3割、7割はサービス業です」
そう言えるのは、レストランに17年間勤めた経験からかもしれない。
そんな松木さんに07年、一大チャンスが舞い込んだ。
10年以上も遊休農地だった畑近くの1000坪の土地が競売に出たのだ
。即座に450万円で買い、この土地を、有機農業の「ファーミング・エン
ターテインメント」の拠点に生まれ変わらせようと考えた。
いわば、「農業遊園地」だ。
■月20人の若者が殺到
しかし、施設を建てるには建設資金がかかる。山間地だから造成費も安
くない。融資先を探そうと、農家仲間に聞くと、「農協系の金融機関は審
査に1年ぐらいかかる」と言われた。地元の静岡銀行に「遊園地計画」
を説明したら、7000万円の融資話が決まった。450万円で手に入れ
た土地が、7000万円の価値に変わった。
融資が決まった話を証券会社に勤める友人に話したら、
「ほんと? 石橋をたたいても渡らない手堅さで、地元からは『シブ銀』
と言われる静銀が?」
と驚かれた。
静岡銀行の担当者は言う。
「ネット宅配や惣菜店の実績に加えて、一流の飲食店で培ったサービスマ
ンとしての松木さんのホスピタリティーが掛け合わされば、ビジネスとし
て成り立つ。儲かる農業だと判断した」
昨年度の売り上げは4600万円。新事業が加わり、今年度は1億円を
見込む。
「細切れで傾斜地が多い中山間地でもちゃんとビジネスになることを証明
して、若い人が後に続くような農業モデルに変えていきたい」
1000坪の土地は開墾され、更地になった。秋には、フランスの美
しい田舎に点在する農村レストラン「オーベルジュ」風の建屋が完成する。
従来の農業にはサービス精神が欠けていたのかもしれない。金融マン
から転じた田中進さん(37)は、儲かる農業は人材と「集約化」だと感
じていた。
田中さんが経営する株式会社「サラダボウル」(山梨県中央市)の従業
員は、平均年齢25・7歳。農水省の08年の統計では農業従事者の平均年齢
は65・2歳だから、別世界だ。
年間100人を超える若者が、田中さんのもとに集まる。大学の新卒者、
カメラマン、アパレル経営者、製薬会社勤務など、ほとんどが農業の未経
験者だ。今年3月以降は、例年の2倍近い月20人が田中さんのもとにやっ
てきた。
「仕事がなくなった」と言う人もいる。
■朝5時から勉強会
そもそも田中さんは、大手銀行の法人向け営業で億円単位の融資を手がけ、
外資系生命保険会社からヘッドハンティングされたこともあり、30代で年収
は7000万円あった。
だが突然、04年、名古屋から実家のある山梨に戻り、家賃4万円の家と60
アールの農地を借り、トマトのハウス栽培をするところから始めた。平均年
収400万円台と言われる農業の世界に飛び込んだのは、
「とてつもなく大きなビジネスチャンスだと感じたから」だ。
全国200軒の農家を訪ね歩き、独自に栽培ノウハウを習得した。作付け前
には、「小ぶりのパプリカ赤・黄のセットで198円ならば、一度に使いき
れて手ごろ」などと、店の棚に置かれる場面を想定した。店と直接契約した
分だけつくれば無駄もないから利益率が上がる。
やっぱり、ニーズに対応するサービス精神、だ。
ただ、頭脳だけで農業はできない。農業の集約化にはまず、人の確保が必
要だった。
そんな田中さんにとって、大きな転機になったのは、04年に会社を設立し
て間もなく、パートの募集をしたときのことだった。地方紙の求人欄に出し
た3行広告で、初日だけで60人の問い合わせがあった。
「こんなにもやりたい人がいる。農業ほど『人財』に恵まれた業界はない」
と確信した。
「人財」をどう生かすか。希望者が農業研修の受け入れ先を見つけられるよ
うに、05年にNPO法人「農業の学校」をつくった。サラダボウルを中心に、
提携する全国の農業法人が研修生を受け入れる。朝の勉強会は5時に始まる。
ノートをとり、生物の教科書を広げて知識を深める。化学記号も飛び交う。
厳しさのため、就農を希望する年間100人のうち、農業に定着するのは
10人ほどだという。
農業を「3K職場」から脱皮させたい。だから、社員には週に1度の休み
と月に1度の連休を与え、月給15万円を保証する。「農業はカッコイイ」と
なれば、さらに人材は増える。
■4段棚に野菜17種類
人材を広く活用することで、田中さんの現在の耕作地面積は10ヘクタール
に。
売上高は1年目の8倍になった。
だが、話はそう簡単ではない。農水省の07年の調査では、新規就農者の56
%が農地の確保に苦しんでいた。次いで多かったのが、資金の確保だ。
同様に金融出身の五唐秀昭さん(49)は、ワイシャツにネクタイ姿で取材
を待っていた。
「ここは町工場みたいなもんですから」
大阪府岸和田市の株式会社「みらくるグリーン」がつくる野菜は、かつて
鉄や縫製工場だった小さな倉庫でつくられている。遮蔽された部屋に4段の
棚を設け、サラダミズナ、ルッコラ、グリーンマスタードなど小ぶりな野菜
17種類を水耕栽培する。蛍光灯が「太陽」。はりめぐらせたパイプを通して
流れる培養液が「土」。
工場部分の広さはわずか21・5坪だが、収穫量は畑10アール分になる。
多品種小規模栽培の「ミニ植物工場」は珍しい。電機、自動車、精密機械
の大手メーカー子会社などの見学が絶えない。
「売上高が30億〜50億円規模の会社が訪ねてくるので驚いた」
03年、25年間勤めた信用金庫を退職した。合併を繰り返す金融界は不安定
だと感じた。腕ひとつで稼ぎたいと思った。信金時代の人脈をたどって
「植物工場」にたどり着いた。
しかし、困り果てたのが「資金の確保」だった。
設備などの初期投資が2000万円かかる。しかし、実績もない農業の新規
事業に銀行は貸してくれない。農業系の公的金融でも、栽培するのが「農地」
ではないことがネックだった。
そこで地場産業を支援する大阪産業振興機構を頼った。だが、ベンチャー向
けの200万円はすぐ認められたものの、設備投資の800万円が認められる
までに1年かかった。農業の前例がなかったためだ。
退職金でしのぎ、「見切り発車」した。
産業振興機構の審査を待つ間に、ホームセンターで買った材料で「工場」を
手作り。
温度や光の照射時間、培養液の調合を少しずつ変え、設定数値を毎日細かく記
録した。
08年春、大阪の自然食レストランのオーナーシェフがもぎとった葉っぱを食
べて言った。
「想像以上にパンチがきいてる。一回食べたら忘れられへん味や」
商売としてやっていけると確信した瞬間だった。
■青りんご味の葉っぱ
昨年5月から、幼葉をミックスするサラダ用の「ベビーリーフ」を出荷し始
めた。
業務用として、100グラム換算で700円。牛肉並みの高値だ。
理由は、食べてみてわかった。
親指ほどの小さな葉っぱなのに、ひと噛みでつんとくる辛さがしたり、青り
んごみたいな味がしたり、キャベツの風味がひろがったり。「浪人時代」の試
行錯誤で、肥料を限界まで減らす微妙なさじ加減を習得し、どこにもない味が
生まれていた。
現在の売り上げは1カ月約50万円。栽培種類を集約化して生産性を上げれば、
倍に増やせると五唐さんは考えている。
3人を見ればわかる。農業は甘くない。でも、確かな熱意と創意工夫、知識
があれば、儲けることが不可能なわけじゃない。サービス精神、集約化、付加
価値化を率先して先導してきた農業のパイオニア的存在は、木内博一さん(41)
。千葉県香取市の和郷園グループで、年間約50億円を稼ぎ出す。そのうち本部
だけで、野菜販売約20億円、加工が約11億円を占める。
「新規参入で、じゃがいも、にんじん、タマネギといった主要10品目で大規模
展開できているところはほとんどない。いまでも農業は、ものすごい経験産業、
そしてインフラ産業であることに変わりがないからです」
91軒の契約農家を抱え、主要10品目を含む43品目をつくっている。毎日食卓
に並ぶあらゆる野菜を安定的に供給するための「普通の製造業」を目指す。
産地直送を始めたのは18年前。24歳で仲間5人とトラックに野菜を積み、
横浜のスーパーや都内の八百屋へでかけた。いまのように産直ショップやネッ
ト直販がない時代だけに、鮮度のよさと珍しさも手伝い、大盛況だった。その
後、大手生協、スーパーなどに取引先を広げ、5年目には野菜の売上高だけで
5億円、10年で10億円を達成した。
ヒントになったのが、高級スーパーの仕入れ担当者のこんな一言だった。
「木内さん、最近のごぼうは風味がないね」
香りや鮮度が大事な野菜は、売り先と事前に契約して、掘って1週間以内に
マーケットに出せば売れる。そう考えた。
生産品目が増えるのに伴って、契約農家が増え、集約化は進んだ。
だが、課題はあった。
作物の品質が農家ごとに微妙に違っていたのだ。
そこで、栽培管理を統一するマニュアルをつくった。質・量ともに要望を完
璧にこなせるプロ集団をつくった。この10年間、契約農家を新たに増やさず、
1軒ごとの質を高めた。
91軒中42軒は、売上高が年率110%で成長し続けている。
■雇用力1500人
経営が軌道に乗り始めた木内さんも災難に巻き込まれた。96年、出荷した野菜
から申告外の農薬が検出されたのだ。
検査機関の誤認とわかるまで、生協との取引は1カ月間停止された。
1年間かけて契約農家と議論し、農薬の使用基準マニュアルをつくった。さら
に、作物の生産から流通、販売までの経路(トレーサビリティー)が、10分以内
に引き出せる仕組みも作り上げた。
木内さんはどうして、そこまで農業にのめりこみ、新たな可能性を際限なく見
いだそうとするのか。
こう理由を話した。
「本気でやれば、農業は、地域の人に継続的に仕事を供給できるんです」
和郷園は東京から車で1時間圏内にある。近くの下請け工場は不況期をくぐる
うちに、次々と操業をやめていった。その度に、地域に根ざして暮らす人の職が
ぐらつき、転居していった。
和郷園はいま、グループ全体で1500人規模の雇用を生み出しているという。
編集部 古川雅子
(引用:アエラ5月18日号)
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「裁判員社員」の休暇扱いどうする?
21日からスタートした「裁判員制度」
この日以降、起訴された刑罰の重い事件が対象で、最初の裁判員裁判は
7月下旬にも実施される見通しという。
裁判員に選ばれた人の多くは平日の3日間程度、参加が義務づけられる。
企業は有給休暇を取れる制度などの整備を進めているが、経済状勢が厳し
さを増す中、中小企業や自営業者などは負担を迫られそうだ。
休暇の整備もさることながら、企業が気を配るのが心理的負担に対する
ケア。殺人事件や強盗致死事件の裁判では証拠となる被害者の遺体など
の写真を見る場合もあり、精神的なショックが残るおそれがある。
企業によっては社員の悩みを聞くメンタルヘルス用の相談窓口の活用する
といったところも出てきているようだ。心的外傷後ストレス(PTSD)な
などで治療が必要になった場合は、国家公務員災害補償法に基づいて費用
が補償される。
ただし、これは大企業での話。
人員に余裕のない中小や自営業者は準備が遅れている。東京商工会議所
が昨年10月に中小企業の経営者ら293人にアンケート調査したとこ
ろ、約6割「特に何もしていない」と回答。新しい休暇制度を導入・
検討している企業は24.6%にとどまった。
正直、中小の場合必要になってから考えるというのが実状であろう。
あらためて「裁判員制度」とは
国民から無作為抽出された6人の裁判員が、3人の裁判官とともに刑
事事件の一審の審理に参加し、判決を出す制度。国民の健全な常識の反
映と司法への信頼向上を目的に、2004年成立の裁判員法で導入が決
まった。全国の地裁(50カ所)と主な地裁支部(10カ所)で開かれ
る。
対象は殺人事件や強盗致傷、現住建造物等放火などの重大事件で刑事
事件全体の2ー3%に当る。08年の事件数をもとに試算すると全国で
裁判員又は補充裁判員に選ばれる確率は1年間で約5、500人に1人。
21日以降、対象事件で被告が起訴されると、裁判官と検察官、弁護
人による「公判前整理手続き」で争点を整理したうえで審理日程を決定。
裁判員選任と初公判は、裁判所が候補者に呼び出し状を発送してから6
週間後に行なわれるので、第1号裁判は7月下旬にも始まる見通し。
【引用:日経新聞】
この日以降、起訴された刑罰の重い事件が対象で、最初の裁判員裁判は
7月下旬にも実施される見通しという。
裁判員に選ばれた人の多くは平日の3日間程度、参加が義務づけられる。
企業は有給休暇を取れる制度などの整備を進めているが、経済状勢が厳し
さを増す中、中小企業や自営業者などは負担を迫られそうだ。
休暇の整備もさることながら、企業が気を配るのが心理的負担に対する
ケア。殺人事件や強盗致死事件の裁判では証拠となる被害者の遺体など
の写真を見る場合もあり、精神的なショックが残るおそれがある。
企業によっては社員の悩みを聞くメンタルヘルス用の相談窓口の活用する
といったところも出てきているようだ。心的外傷後ストレス(PTSD)な
などで治療が必要になった場合は、国家公務員災害補償法に基づいて費用
が補償される。
ただし、これは大企業での話。
人員に余裕のない中小や自営業者は準備が遅れている。東京商工会議所
が昨年10月に中小企業の経営者ら293人にアンケート調査したとこ
ろ、約6割「特に何もしていない」と回答。新しい休暇制度を導入・
検討している企業は24.6%にとどまった。
正直、中小の場合必要になってから考えるというのが実状であろう。
あらためて「裁判員制度」とは
国民から無作為抽出された6人の裁判員が、3人の裁判官とともに刑
事事件の一審の審理に参加し、判決を出す制度。国民の健全な常識の反
映と司法への信頼向上を目的に、2004年成立の裁判員法で導入が決
まった。全国の地裁(50カ所)と主な地裁支部(10カ所)で開かれ
る。
対象は殺人事件や強盗致傷、現住建造物等放火などの重大事件で刑事
事件全体の2ー3%に当る。08年の事件数をもとに試算すると全国で
裁判員又は補充裁判員に選ばれる確率は1年間で約5、500人に1人。
21日以降、対象事件で被告が起訴されると、裁判官と検察官、弁護
人による「公判前整理手続き」で争点を整理したうえで審理日程を決定。
裁判員選任と初公判は、裁判所が候補者に呼び出し状を発送してから6
週間後に行なわれるので、第1号裁判は7月下旬にも始まる見通し。
【引用:日経新聞】
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2009年05月25日| コメント |
カテゴリ: management 人事戦略
個人事業主などの同居親族が中退共加入可能に!?
中小退職金共済7割が加入希望(親族のみの事業所)
厚労省などは27日、従業員10人未満の事業所を対象に
実施した働き方に対するアンケート調査を公表した。
同居の親族のみで営む事業所で、親族の退職金のために
中小企業が加入する中小企業退職金共済(中退共)へ入りた
いと希望する事業所の割合が約7割に上った。
調査は5千事業所を対象に、厚労省の協力で独立行政法人
の勤労者退職金共済機構が4月末に実施。回収率は約15%。
厚労省は個人事業主などの同居親族の中退共へ加入できる
ようにする方針。
【引用:日経新聞】
厚労省などは27日、従業員10人未満の事業所を対象に
実施した働き方に対するアンケート調査を公表した。
同居の親族のみで営む事業所で、親族の退職金のために
中小企業が加入する中小企業退職金共済(中退共)へ入りた
いと希望する事業所の割合が約7割に上った。
調査は5千事業所を対象に、厚労省の協力で独立行政法人
の勤労者退職金共済機構が4月末に実施。回収率は約15%。
厚労省は個人事業主などの同居親族の中退共へ加入できる
ようにする方針。
【引用:日経新聞】


